指導者(監督者)に求められるもの
①監督者に必要な条件
(1)仕事の知識
これは、一人ひとりの職務に特有なもので、仕事を正しく遂行するために必要な知識です。
(2)職責の知識
これは、監督者として必要な責任と権限についての知識で、会社の方針、就業規則、作業基準、安全規則、職制、業務計画、労働協約などに従って仕事をするための知識です。
(3)改善する技能
これは、作業の内容を細かく分けて研究し、それを簡単にしたり、ぐあい良く順序を決めたり、組み合わせたりする技能です。
(4)人を扱う技能
これは、人と人との関係を円滑にし、部下に快く協力してもらうのに役立つ技能です。
(5)教える技能
これは、従業員をよく訓練して、りっぱな仕事ができるようにするための技能です。
④4つの教える道具
(1)言って聞かせる
「言って聞かせるだけ」というのは、新しい手先の技能を伸ばすために教える場合には、決して有効な道具ではない。
「言って聞かせるだけ」というのは、過去の知識や経験に結びつけて、簡単に説明できるような知識を与える場合に使えば、役に立つかもしれない。
この道具を、教えるときに使うならば、指導者が話したことを、見習者がよく理解したかどうか、「言って聞かせた」後で確かめるということが特にたいせつであります。
(2)やって見せる
「やって見せる」は、部下に今までできなかった作業のやり方を教える場合の「作業を説明する」段階で、特に有効であります。
(3)かいたもので見せる
「かいたもので見せる」というのは、表・線図・図面・略図など、用意したおいたものを見せるか、またはその場でかいてみせることをいうのである。部下は紙に略図をかいて、要点をはっきり示せば、たいていはわかるものである。
(4)聞いてみる または 言わせてみる
「聞いてみる または 言わせてみる」は「習う準備をさせる」ためにも使うことができる。また、この道具は、教えたことを部下が理解したかどうかを確かめるときにも、使うことができます。
さらにこの道具は、部下が新しい仕事の正しい手順を、考える助けとするためにも使う事ができる。このことは、良い教え方としては最も重要なことであります。
⑤教え方の4段階
第1段階 - 習う準備をさせる
気楽にさせる
何の作業をやるかを話す
その作業について知っている程度を確かめる
作業を覚えたい気持ちにさせる
正しい位置につかせる
第2段階 - 作業を説明する
主なステップを一つずつ言って聞かせ、やって見せ、かいて見せる
急所を強調する
はっきりと、ぬかりなく、根気よく
理解する能力以上にしいない
第3段階 - やらせてみる
やらせてみて - 間違いを直す
やらせながら、作業を説明させる
もう一度やらせながら、急所を言わせる
わかったとわかるまで確かめる
第4段階 - 教えたあとをみる
仕事につかせる
わからぬときに聞く人を決めておく
たびたび調べる
質問するようにしむける
だんだん指導を減らしていく
相手が覚えていないのは自分が教えなかったのだ